確かに、鉄筋コンクリートによる天守再建がブームだった昭和年代には、鉄筋コンクリートづくりが半永久的に長持ちする・・と云われていました。しかし、実際には、天守の鉄骨を包み込んだコンクリートの柱の中に雨水が沁み込んで、鉄筋が腐り始めていることが判り、その為、昨今は、鉄筋コンクリート製の耐用年数は、せいぜい40~50年程度と云われています。その意味では、全国の鉄筋コンクリートづくりのお城は、耐震強度の問題で、木造による再建が現に進行中か、何れは、木造で再建しようと検討しているところが大勢になりつつあると言われています。その点、木造建築は、耐震、免震性に優れていることが一般的に理解されつつあり、火事にさえ注意すれば500年から1000年は持つと言われています。現に江戸時代初期に建てられた天守が、日本には12も遺されています。戦争さえなければもっと多くの天守が残っていたことでしょう。そういう意味で、今後5年~10年後には、鉄筋コンクリートのお城を木造で再建しよう・・という「木造天守再建大ブーム」が起きると予想されています。(広島大学大学院・三浦正幸名誉教授談)