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Q&A 3-6. 観光による経済の活性化が再建の目的ですか?

外国人観光客が沢山日本に来てくださるのは重要なことですが、江戸城再建の意義は勿論それだけではありません。全国の都道府県庁所在地の多くは、かつての城下町でした。その殆どの街でお城、取分け天守の再建が行われ、あるいは再建が進行中です。山形、仙台、名古屋、大阪、広島、熊本、那覇などは、お城が最も重要な観光資源になっています。事実、大阪を訪れる外国人の大半は大阪城を訪れるとも言われています。しかし全国でこうしたお城の再建が進むのは観光目的だけではありません。「郷土の誇り」「郷土愛のシンボル」だからこそ、お城の再建、天守の再建が進められているのです。子どもの頃からお城を見て、ここが私の古里だとの気持ちを育んでいるのです。お城づくりそのこと自体が、地方のアイデンティティづくりの象徴と言って良い、とても大きな目的なのです。古くからの城や天守がある町の出身者に聞いてみてください。多くの人が誇らしげに語ってくれるでしょう。江戸は城下町の中の城下町、日本の総城下町でした。つまり江戸城はただ東京に住む人たちだけのシンボルではなく、日本全体のシンボル、心の拠り処になり得るのです。海外から日本に帰ってきたとき、江戸城を見て「ああ日本に帰ってきた」と思えるような、そんな存在になり得るのです。日本人が心を一つにする象徴・シンボルをつくるというのは、そういう意味でも大変重要なことだと思っております。