H19.7.21 第2回「伝統木工法の再建でこそ、感動を呼ぶ本物になる」

  • テーマ: 日本文化を世界に発信する為に、修景から考えた江戸城再建計画
    『平成の木構造復元を目指して』
  • 講師: 倉橋 英太郎 ㈱倉橋英太郎建築設計事務所代表取締役、当会アドヴァイザー
  • 日時: 2007年7月21日(土) 10時~12時
  • 場所: 江戸東京博物館第1会議室

倉橋氏は、アメリカでの建築設計研修の体験が日本文化を見直す契機となり、日本の伝統木構造技術と現代建築技術を駆使して、日本の古い木造建物の再生や、景観をその土地の歴史・文化・風土・自然を活かした形で修復する修景事業で全国各地を奔走している。講演ポイントは以下の通りです;

倉橋流『蘇生』とは、建築が『蘇る』事はもとより、そこに暮らす住民と行政が一丸となって、地域の伝統と文化を生かしたまちづくりに寄与し、建築とそこに住む人々の心身が『蘇り』、住まう人、訪れる人に『うるおいとやすらぎ』をもたらし、建築とまちが次世代へ連歌のごとく繋がり、地域発展の原動力になることを意味する。美しい景観を作るには、決して大げさなことから始める必要はない。先ず、どんな小さな箇所(施設)でもよいから、人々にとって心地の良い雰囲気・象徴を作ること、それがその土地の魅力づくりの連鎖を生んでいく。氏が手がけた温泉地では、1988年当時、寂れた町の一箇所の修景でその周辺の景観が一変したことを実体感した町の人々は、その後十数年の年月をかけて次々と修景を行い、いつしか町全体にその土地の伝統・文化が生かされた景観が蘇生され、当初6万人でしかなかった町への訪問客が20万人にも増加し、町は活性化した。

本物には、本物の空間ならではの臨場感、質感があり、人々に感動と癒しを与えてくれる。江戸城の再建は、史実に基づいた本物の木造復元でなければならない。木造建築は、防火・避難の点で問題はあるものの、建築意匠の優美さ、維持・耐久性に優れ、日本の気候風土に合っている。東大寺大仏殿は高さ48メートルの世界最大の、法隆寺は築後1300年の世界最古の木造建築であり、歴史を生かした『本物・ビックリ・癒し』のものは飽きることなく半永久的に残る。木造建築である国宝の松本城には年間100万人もの人が訪れる。本物の江戸城再建→皇居周辺の修景→観光立国日本のシンボル出現、という連鎖が実現すれば、現在の訪日外国人500万人は先の温泉地や諸外国の例からしても、3倍にも4倍にも増えると確信する。史実に基づく江戸城天守閣は5層6階建58.6メートルの木造建築であり、その再建は現在の建築基準法の基準外ではあるが、国の史跡における復元建物は木造が既に常識になっている。基準外である木造4階建て19.15メートルの大洲城天守閣の復元が特別に許可され、2004年に復元されたこと等を踏まえれば、さまざまな創意工夫で木造江戸城天守閣の復元も許可されるものと確信する。

以下を提案したい;①天主再建に時間がかかるのなら、あるものを使い、できるものからやる。先ずは、土塀、城門、江戸城周辺の修景、②全国1道2府43県にNPO法人「江戸城再建を目指す会」の支部(各藩)を作る、③江戸城再建寄金箱の設置(結婚・出産・各種記念日の時の1000円寄付、等)

「いつか誰かやる」では「いつか誰もやらない!」

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