11月27日(水)「江戸城天守を再建する会」発足記念集会

11月27日(水)13時。東京神田の学士会館で、会員等190人の参加の下に、「江戸城天守を再建する会」の発足記念集会が開催されました。
Ⅰ 太田資暁会長の挨拶に続き、OLYMPUS DIGITAL CAMERA

太田資暁会長の開会挨拶


江戸城はユニークベニューとして期待できるーー観光庁観光資源課長
Ⅰ‐1観光庁久保長官代理の新垣観光資源課長から、観光立国の推進について10分間にわたるスピーチがありました。その中で新垣課長は、観光立国の推進には、国際的な各種行事(MICE)の積極的な招致が必要であり、それに欠かせないのがユニークベニュー(他では見られない特徴と存在感をもつ施設)の存在である。江戸城天守はまさにユニークベニューとして大きな期待が持てるものである。との当会にとっては心強いメッセージをいただきました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


会場風景


歴史的木造建築物の再建は裾野の広い文化の継承ーー林野庁木材産業課長
Ⅰ-2次いで、林野庁沼田長官代理の飛山木材産業課長から、森林・林業・木材産業の現状について、同じく10分間にわたるスピーチがありました。その中で飛山課長は、木材自給率は改善傾向を示しているものの依然低水準にとどまっている。森林資源の蓄積は最近とみに充実してきており、自給率改善を目指し、公共建築物等における木材利用の拡大を図っている。寺社仏閣等の木造建築は、雇用等の経済効果もさることながら、広い裾野を持つ文化の継承へ取組となる。とこれまた当会にとって力強いメッセージをいただきました。
Ⅱ 13時30分。来賓のメッセージの後、「江戸城天守再建の今日的意義と課題」をテーマとするシンポジウムが開催されました。シンポジストは当会が同じテーマで諮問を行った日本都市計画学会と日本経済研究所を代表する6人の方々で、小竹当会理事長が司会をしました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


シンポジウムの司会 小竹直隆理事長


首都に国の尊厳を示す品格のある歴史的モニュメントをーー伊藤滋教授
Ⅱ-1 まず、元日本都市計画学会伊藤滋会長から、昨年、ソウルの外国人観光客が東京を上回った。世界の国際会議の開催率もアジアの中で東京は見事に下がっている。これでは、日本に海外の質の良い資本や人材が来なくなる。世界の主要都市には、国の威厳を示す歴史的モニュメントがあるが、東京にはない。世界の人々に東京の存在を強調するには、日本の尊厳を示す、品格のあるモニュメント(歴史的建造物)が必要である。日本は世界に類まれなる木の文化を育み、海外の人々からも高い評価を受けている。江戸城天守の再建は、日本の歴史と尊厳を海外に示すモニュメントとしてふさわしい。との基調スピーチがありました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


日本都市計画学会検討委員会委員長 伊藤 滋 教授


歴史性を明確にした固有の魅力あるまちづくりをーー中井検裕教授
Ⅱ-2 次に、東京工業大学中井検裕教授から、日本都市計画学会の江戸城天守再建検討委員会の都市学的側面からの検討結果の説明がありました。21世紀は都市に人口が集中し、都市間の交流が密接化する「都市の世紀」であり、その中で世界の主要都市の国際的競争は激化している。競争に伍していくためには、グローバル化に対応することに加え、その都市の固有の魅力を強調しなければならない。そのためには、歴史性を明確にした都市作りが必要である。日本都市計画学会としては、江戸城天守から日本橋にいたる地域を「歴史まちつくり再生ゾーン」として、歴史的蓄積を体現できる空間とする街作りに取り組みことを提案したい。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


日本都市計画学会検討委員会副委員長 中井検裕教授


樹齢百年超の檜を明治末以降の人口植林から調達可能ーー三浦正幸教授
Ⅱ-3 次いで、広島大学大学院三浦正幸教授から、江戸城天守再建検討委員会の技術的側面からの検討結果の説明がありました。再建を目指す江戸城寛永度天守は、台座からすると19階建のビルに相当する大きさで、現存姫路城の高さで1.3倍、体積で3倍、畳換算総合床面積は2300畳の、純木造では世界最大・最高水準の建築物となる。樹齢100年を超える檜の柱780本と梁材を加え、1000本の檜が必要となるが、明治末から大正初期にかけての人口植林から調達が可能である。屋根を支える垂木や根太など約1万本も全て人工林から調達可能となる。伝統的な木造建築技術者の悩みは仕事の減少による後継者不足であり、江戸城天守の再建は、世界一の技術持った宮大工の後継者作りにも役立つ。太い檜を使えば標準的な耐用年数は500年である。500年後修理補修を行い、その後100年毎に補修を繰り返すとおそらく1500年位はもつと思われる。21世紀に建てられる建築物で最長なものが江戸城になるのではないか。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


日本都市計画学会検討委員会委員 三浦正幸教授


江戸城の再建・運営は民間ベースで可能ーー中村寛行日本経済研究所研究主幹
Ⅱ-4 次に当会が江戸城天守再建の経済効果について諮問を行った日本経済研究所の小林寛行上席研究主幹から、諮問に応えた説明がありました。江戸城天守再建の総事業費は350億円、建設期間と開業後1年までの経済誘発効果は1043億円。開設初年度の入場料収入は固目に見積もって(来場者数500万人、入場料1200円)70億円。350億円で70億円の収入なら十分に民間ベースでも採算に合うので、公共側に新たな財政負担を発生させることなく、江戸城天守の再建・運営が可能と考えられえる。観光立国の観点から、江戸城天守はユニークベニューとして大きな役割を果たすことになる。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


日本経済研究所上席研究主幹 小林寛行氏


オリンピックで聖火ランナーが走るまでに完成可能――山田幸夫委員
Ⅱ-5 最後に日本都市計画学会検討委員会委員の山田幸夫氏から、都市計画学会の検討委員会での検討結果の総括的説明がありました。検討委員会では、➀皆が合意できる目標ができるか。➁技術的に可能か。➂材料的な裏付けがあるか。➃法律的に可能か。➄工程的に可能か。➅コストがいくらかかるか。➆事業が成立つか。の7つの観点から検討した。⓵目標については都市的な位置づけが出来た。➁と➂技術を材料については三浦教授の説明の通り可能。➃法的にははかなりの困難が伴うが努力次第で可能。➄時間は最短6年半で可能。➅コストは建物だけで250億円その他を加えて350億円。➆事業性は、民間で作り、民間で運営できる。という結論に到達した。完成目標は2020年7月の東京オリンピックの前。許認可等に大変な作業と時間をとり、着工は2016年中頃となる。オリンピックで資材の高騰や人手でとられるといわれるが、オリンピックは鉄筋コンクリートの世界、江戸城は木材と伝統技術の世界で競合はない。防災、地震、火災に強い木造建築をオリンピックの聖火ランナーが走るころに完成するというスケジュールになる。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


日本都市計画学会検討委員会委員 山田幸夫氏


熊本県営業部長「くまモン」登場
Ⅲ 15時。シンポジウムの後、熊本県営業部長の「くまモン」が会場に現れました。
江戸城建設に功があった熊本城主加藤清正のご縁で、江戸城天守再建の際には、全国8割のシェアを持つ熊本県の畳をお使いくださいと熊本県営業部長のアピールがありました。くまモン体操で会場を沸かせ、拍手とカメラのフラッシュに送られながら会場を去ってゆきました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


くまモン体操をする熊本県営業部長くまモン


会員意見発表――私の想いーー
Ⅳ 15時30分。「江戸城天守再建に寄せる私の想い」と題する会員有志の意見発表が百瀬理事司会の下で行われました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA


私の想い 司会 百瀬光正理事


Ⅲ-1 初鹿彰信会員OLYMPUS DIGITAL CAMERA

私の想い 初鹿彰信会員


江戸城天守再建を日本の首都東京のブランディング戦略の核としたい。江戸城天守再建を、戦国から平和への転換、自然に寄り添い、人にやさしい文化の時代の象徴として子々孫々に語り継がれ、世界の人々に納得され、愛されるモニュメントにしたい。
Ⅲ-2 中村賢二郎会員OLYMPUS DIGITAL CAMERA

私の想い 中村賢二郎会員


江戸城天守が、ドイツのベルリン王宮再建と同様、未来志向の文化施設となることを期待したい。日本の歴史と伝統と文化を象徴し、260年の平和を保った日本人の「和のこころ」が世界の人々に示される歴史資料館のような空間を設けたい。
Ⅲ-3 中村光弘会員OLYMPUS DIGITAL CAMERA

私の想い 中村光弘会員


木造建築は、日本に残された世界の誇れる伝統技術です。江戸城天守を木材でもって再建しようとする本会の構想を大変有難く思い、全林野関係者の心からなる喜びをお伝えさせていただきたい。
Ⅲ-4 細内 進会員OLYMPUS DIGITAL CAMERA

私の想い 細内 進会員


江戸城天守再建を実現するためには、法的制度的に様々な問題がある。これを克服するには何より会員の数を増やし、国民の賛同を得なければならない。現在3千数百人の会員を10万人といわず
100万にまでに持っていかなければならない。そういう気持ちで会員拡大に取り組んでいる。

小竹理事長の締めくくり
Ⅴ 16時過ぎ 小竹理事長が「天之所欲、天必従之」(民が真に欲する所あれば、天必ずそれに報いるであろう)という書経の言葉を引用して、私たちには夢がある。私たちの心からなる真剣な夢は必ずや世の中を動かし、実現するであろうと力強く集会を締めくくりました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

小竹直隆理事長の総括スピーチ

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