H19.5.27 第1回「再建江戸城を、日本の伝統文化継承のシンボルに」

  • テーマ: 「江戸城再建の今日的意義」
  • 講師: 西川 壽麿(としまろ) 総合文化研究所代表(当会顧問)
  • 日時: 2007年5月27日(日) 14時~16時
  • 場所: 江戸東京博物館第1会議室

 

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今回のセミナーでは、西川壽麿氏の講演に加え、氏のお父上であられる西川秋象さまから、保科正之に関する極めて重要な史的事実の解説を賜わりました。セミナー参加者は60名を超え、会場から、NPO法人「伝統木構造の会」の増田一眞会長からもご発言があり、伝統木構造での江戸城再建は、日本の伝統工芸の維持・継承のみならず、荒廃が進む日本の森林の再生にも貢献すると述べられ、会場に深い感銘を与えられました。(当セミナーの内容は、6月18日付トラベルジャーナルでも紹介されました。)

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西川壽麿氏は、江戸城再建ミッションの一つは、「むしろ明暦大火後の江戸再建で『徳川の平和』の礎を築いた保科正之の意志と施策を世界に伝え」つつ、機の整った今日「江戸時代を代表する文化財資産としての『天守閣』を再建」し、「東京に文化・歴史のビューを与え」、「過去の人々の『恩』に触れ感謝できる都市空間」という、「東京に本当の観光資源をつくる」ことであると述べられました。又、米国のメトロポリタン美術館は、一人の米国民間人による設立の訴えで、今や世界最大級の美術館にまで発展し、純然たる私立の美術館として運営されているとして、「民が行う『国づくり』」として「堂々たる文化NPO(NGO)を作り再建江戸城を運営する」ことの重要性についても述べられました。

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書家、雅楽作曲家、教育者でもあられる西川秋象氏は、明暦の大火で消失した江戸城天守閣の再建に関し、史料『千載之松』(大河原長八著、文政11年、会津会)には次のように書かれていることを紹介され、会津藩主で将軍家綱の補佐役であった保科正之は天守閣の再建そのものに反対したのではなく、時節柄、当分の間再建を延期すべきと考えていたことを懇切丁寧に解説されました。

※上記史料:町の復興作業が行われている状況下(当時)は、天守閣再建に「国財を費やすべき時節に非ざるべし、当分御延引可然(しかるべし)とて天守の作事は沙汰止みになりしとぞ」(「千載之松」)

 

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