10月25日(金) 日本都市計画学会等による江戸城天守再建についての記者会見が行われました。

当会は、これ迄鋭意取組んできた「江戸城寛永度天守再建」の運動について、かねて、その妥当性、可能性についての評価を客観的な立場で権威ある第三者に調査・研究をして戴くことを検討してまいりました。その委嘱を快く受け入れて戴いたのは、公益社団法人「日本都市計画学会」であり、また政府系のシンクタンク「日本経済研究所」でした。

早速設けられた委員会には、都市計画の学会関係者や建築技術分野の専門家に参画戴き、都市計画関連と建築技術関連の二つの分科会が設けられ、相互に意見交換する形で、約半年間に7回もの委員会及びそのワーキング・グループが開催され、真摯かつ精力的な審議が進められて参りました。

その結果、11月の最終答申を前にして、去る10月25日に東京都庁にて記者会見が開催され、委員長伊藤滋氏のリードの下、この間の調査・研究の成果を踏まえて、画期的な記者発表が実現する運びとなった次第です。同委員会から伊藤滋委員長、中井検裕副委員長、三浦正幸委員など斯界の権威と云える先生方がお揃いで解説を戴き、記者団からも熱心な質疑応答が行われました。

これは、当会の取組みの現代的意義や課題を明らかにし、その解決の方向を的確に示して戴いたばかりか、今後のロードマップ展開上の貴重な知見や、世論喚起に向けた貴重な情報を提供して頂いた、と考えております。ここにそのあらましをご紹介いたしましょう。

先ず冒頭、当会の小竹直隆理事長から「江戸城天守は、世界に類を見ない日本の伝統、文化のモニュメントであり、また魅力と活力ある新しい国づくり「観光立国」のシンボルとして日本再生に寄与するもの」と確信する・・と述べて、認定NPO法人「江戸城天守を再建する会」の使命と目的を明らかにすると共に、「伝統構法による木造天守の再建として、2020年の竣工を目指す」旨表明し、日本都市計画学会と日本経済研究所からの諮問報告によって、「幅広い賛同と支持、世論の盛上りが得られることを期待したい」と口火を切りました。

そのあと、伊藤滋委員長(元日本都市計画学会会長)から、「海外ではベルリン王宮再生など歴史的なシンボルを活用した都市づくりが盛んだが、現在の東京には、この国の歴史と伝統を踏まえた、いわば中心が無い」「国際都市東京には、文化、交流のシンボル、ランドマークの創出が必要であり、まさに江戸城寛永度天守再建の時節が到来した」と強調されました。

そのあと、中井検裕東京工業大学教授から、杜の上から姿を覗かせる美しい江戸城寛永度天守のイメージ映像を背景にして、景観的側面、観光戦略的側面から「歴史・街づくり再生ゾーン」の提案が行われ、都市東京の未来像が鮮やかに描き出されました。

続いて、三浦正幸広島大学大学院教授から、貴重な建地割り図から復元創作した図面を使った素晴らしい天守の木組み構造の再現画像を示しながら、木造建築の優れた耐震・耐久性、長寿命性の紹介に加えて、材料調達面での日本の森林再生効果に多大な貢献を期待できる等、詳しい解説が行われました。

最後に、日本都市計画学会の基礎的な調査・研究に基づいて、シンクタンク日本経済研究所の上席研究員小林寛行氏から、次のような調査結果の発表がありました。
① 都市のシンボルとなる江戸城を再建することは、都市東京の再生に寄与するところ大である。
②   伝統構法による木造での再建は、十分な耐震性構造技術があり、材料調達も出来るので実現は可能
③ 現天守台での建設は、土地所有権者等の了解を得られれば、各許認可 の取得を順次行うことで、法的にも十分可能。
④ 事業費は約350億円、経済波及効果は約1000億円であり、民間主導によるプロェクトで
実現は可能と考える。(他に、雇用誘発効果約8200人、初年度来場者数500万人と想定)

今後のステップとして、建設主体(SPC等)の設立から、その後の事業運営主体設立の構想を描く中で、関係各省庁(文化庁、林野庁、国土交通省、宮内庁など)との折衝・協議を経て、計画設計、建設工事を進めれば、2020年の東京オリンピック開催ど同時の竣工・オープンが可能だとする認識が、想定スケジュールとして描かれました。

“坂の上の雲”間に見え隠れする、壮大な美しい江戸城寛永度天守の再現に向けて、オリンピックの追い風をどう活かせるか。それは、確かな建設主体構想を基に、事業運営主体構想の検討する中で、地域、職域活動の一層の強化と政官財各界各層とのネットワークを拡大すると共に、広く国民的な世論を盛上げることによって、これからの“道なき道に”道をつけることが出来る・・と信じて、一歩、一歩確実に、前進して行きたいと考えております。皆さまからの力強いご賛同とご支援を、心から期待いたしております。どうぞよろしくお願いいたします。 (理事長 小竹直隆)

 

 

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