会員インタビュー

「DIY工房IZUMI」主宰・元中学校社会科教師
川上 泉

江戸城があったら、社会科授業にどんなにかインパクトがあるか!

会の参事・専門委員として、会の行事や集会では公式写真撮影を一手に引き受けている。会の催し等で、熱心に撮影している姿を目にした会員のみなさんも多いことだろう。入会してすぐに撮影担当を買って出た。会のために何ができるかと考えた時、「この大事業の記録がいずれ重要になる。子供の頃から写真好きだったので、その腕を役立てようと思った」と話す。

入会のきっかけは高校の同級生だった会員に誘われて。すぐに入会を決めた。長年中学校の社会科教員を務め、「人間の歴史の授業を作る会」という会に長年属して授業内容を工夫してきたが、江戸城再建運動がその方向性とぴったり合ったと感じたからだ。

「社会の授業はとかく暗記が多く嫌われがち。そこで、縄文土器を作ってみたり、蒸気機関車に乗ってみたり、火縄銃の発砲を見学したり、体験やものづくりを授業に取り入れて関心を持たせるのです。教える方もつまらなそうな子供たちを見るのは嫌。どうしたら目を輝かせてくれるか工夫してきました」という。その中で、「江戸城の実物があったらどんなに江戸時代の授業にインパクトがあるか」常々考えていたのだ。

江戸城天守再建では、観光面での効果に注目が集まりがちだが、子供たちへの影響、教育面での効果が非常に大きいと考えている。「実際に木造建築の大天守を見学したら、江戸時代の技術、文化、特に世界一の日本の木造建築技術について、子供たちの意識が劇的に変わるのは間違いありません」。そのためには、天守再建後の教育プログラムも重要になる、と早くも再建後に目を据える。

自身も木工の工作工房を営んでおり、日本の木工技術には関心が深い。「単に天守という箱ができるというだけでなく、その中に詰まった日本の技術が大事で、次世代・未来に広範囲に影響がある」と話す。

そうした意味で、江戸城天守の再建は日本文化や江戸の良い面の見直しにつながってくる、と期待する。「木造の良さ、木造を大事にしようという動きは広まってきている。また水の都だった江戸の街の良さが、これからの環境重視の時代に注目が集まる。江戸城再建では、和鉄でできた大工道具も使って欲しい。その切れ味や研ぎやすさを再確認してくれれば」と様々な期待も広がる。

「会の運動の成果で企業や自治体にも江戸城再建は応援され始めている。これから運動は加速していくし、五輪と連動して実現の可能性は高くなっている」と感じている。

完成した江戸城大天守に子供たちを案内する日が楽しみだ。

取材・文 黒田 涼
(作家・江戸歩き案内人)